突然ですが、
皆さんのサロンには、売上アップの戦略がありますか。
正直なところ、なかなか即答が難しい美容室もあるかと思います。
- 客単価・来店サイクルを伸ばす
- ヘッドスパ比率を伸ばす
- 男性客を増やす
など、売上アップに向け、できることは様々ですが、これらは戦略ではありません。
あくまでも目標であり、タスクです。
今回は、『そもそも戦略とは?』 について考えます。
【美容室向け】売上アップ2つの基本戦略
一般的に売上アップには2つの戦略=考え方があります。
ひとつは、ポジショニング戦略 = 『戦わずして勝つ』を目指すやり方。
ふたつめは、組織戦略 = 『圧倒的な組織スキルで勝つ』を目指すやり方。
以下、それぞれについて考えます。
ポジショニング戦略
本戦略では『戦わずして勝つ』が理想です。
最もわかりやすい例は、
周囲にまったく美容室がない繁華街でサロンを新規開業する
などです。
つまり、ライバルが少なく、お客様が多い環境を選べば、売上は確実にアップする、といった考え方です。
上記は極端な例ですが、この考え方を応用し、ライバルとなるべくポジション=顧客層(ターゲット)がかぶらないようにします。
例えば、最近流行りのSNSの場合は、
- Twitter = SNS × 気軽さ
- Facebook = SNS × 実名制
- インスタグラム = SNS × おしゃれカメラ
- Line = SNS × プライベート
つまり、
- Twitterはどうでもいいことをストレス解消につぶやく用SNS
- Facebookは昔の同級生や職場の同期とつながる用SNS
- インスタはアルバムとして写真を残す用SNS
- Lineは仲良しグループのチャット用SNS
SNSは乱立していますが、それぞれポジショニングが重ならないため、上記すべてのSNSを用途別に利用しているユーザーは多く存在します。
では、美容室の場合はどうか。
ポジショニングの視点は
- 価格帯 - 安い/高い
- 技術 - 低い/高い
- イメージ - 身近/高級
- ターゲット - 男性/女性
などなど、様々ありますが
例えば、
■都心から離れた場所の高級サロン
仮に周辺サロンがファミリーサロンばかりの場合は有利
想定ターゲット:おしゃれにこだわりはあるが、都心までの移動が面倒と考える女性。
ファミリーサロンにはない接客サービスを明確にする
さらに、
そのなかでも、
- 40代女性に特化してみる
- カウンセリングに特化してみる
などまだまだポジショニングは自由に設定できます。
他サロンと重ならないポジションを獲得できたならば、その領域/顧客層(ターゲット)への集客は効率的になるため、売上は自然とアップします。
組織戦略
先の述べたように、いいポジションを獲得できれば、自然に売上は伸びます。
しかし、そのような環境は他サロンにとっても魅力的のため、次第にライバルサロンは増えます。
先のようにファミリーサロンのなかに1件だけ高級サロンがある環境では売上アップは容易ですが、ここに同じような高級サロンが増えるごとに、顧客の奪い合いが発生し、売上は低下します。
こうなった場合、ポジショニングのみで売上を伸ばし続けることは難しくなります。(常に新しいサービスを始められるなら別ですが)
このような環境では、
組織戦略 = 『圧倒的な組織スキルで勝つ』を目指すことが重要になります。
美容室の場合、他サロンと差別化できる要素は
- 技術力
- 接客力
- カウンセリング力
- ブランディング力
など多くありますが、継続的な売上アップには、優秀なスタッフの独立、離職に影響されない仕組み=企業単位での組織能力が重要になります。
そのためには、スタッフ個人の感覚だけではなく、
- ITを活用した接客品質向上
- データによる客観的な分析
- リピーター維持の仕組み
- マネジメントの仕組み
など、継続的な売上アップには、組織そのものに蓄積されるノウハウが不可欠です。
例えば、コンビニ業界のTOPセブン-イレブンが強い理由は、商品の品揃えや価格でも、特徴的なポジショニングでもなく、店舗担当者のノウハウにあるといわれています。セブンイレブンでは、POSシステムのデータをもとに現場担当者が柔軟に店舗運営を行います。ライバル企業もPOSシステムを導入していますが、店舗担当者のシステム活用ノウハウや運営スキルの不十分さが、セブンイレブンほどの成果=売上があげられていない理由とも考えられています。
客観的データをもとにしたノウハウは、個人スキルに比べ再現性があります。
そのため、スタッフに依存しない売上アップの仕組みが作りやすくなります。
売上アップに有効な分析手法は以下記事をご覧ください。
まとめ
一般的に売上アップには2つの戦略=考え方があります。
ひとつは、
ポジショニング戦略 = 『戦わずして勝つ』を目指すやり方。
- ライバルサロンにはない価値/サービス
- ライバルサロンのかぶらない顧客層をターゲットにする
が売上アップのカギ。
ふたつめは、
組織戦略 = 『圧倒的な組織スキルで勝つ』を目指すやり方。
- 他サロンが簡単にまねできない組織運営
- スタッフ個人に依存しない売上構造
- 客観的データをもとにしたノウハウ形成
が売上アップのカギ。