「戦略の失敗は、戦術では補えない」という言葉があります。
販売戦略で言えば、「何を誰に売るか」は戦略で、「どうやって売るか」は戦術です。
戦略はビジネスの全体像、仕組みであり、戦術はチラシをどうするか、ホームページをどうするかという行動レベルに落とし込んだものが戦術です。
今回は、これから開業する美容室で新規集客を始める前に必ずやるべき6つのステップを紹介します。
戦略を具体的にどういうステップで考えていくかというと、まずはターゲットの設定でお客様を決めていきます。
次にマーケット。ターゲットがどこにいるのか、市場を決めて、市場に対してどうやって集客をアプローチし、集めたお客様にどのような販売プロセスで、どういう価格設定で販売していくか。
最後にお客様にどういうフォロー体制をとっていくのかを考えてから媒体作りに入ることが大切です。
美容室で新規集客を始める前に必ずやるべき6つのステップ
- ターゲットの設定
- マーケットの選定
- 集客の仕組み
- 販売プロセス
- 価格設定
- 顧客フォローの仕組み
1.ターゲットの設定
理想のお客様は、どんなお客様ですか?
これから美容室やサロンを開業される方。
皆さんのご来店していただきたい理想のお客様は、どんなお客様ですか?
誰をターゲットにするかが、明確に絞り込めていないなんてことはありませんか。
ターゲットを明確に設定しない限り、チラシやホームページの媒体を作っても理想とするお客様の心に響かせることはできません。
例えばすべてのお客様を合うように、施術メニューやサービスを作るのと、たった1人のお客様のために施術メニューやサービスを考えて作るのでは、当然ながら1人のお客様に対して考えたものの方が心に突き刺さり易いですね。
理想のお客様の年齢は、いくつくらいのお客様ですか?女性ですか、それとも男性ですか?どこに住んでいますか?理想のお客様は、どのような悩みを抱えていますか?どのようなことを渇望していますか?
ターゲットについて知り、お客様の心理を考えることが大切です。
先日、とても繁盛している美容室のある経営者様とターゲットについて話す機会がありました。
ターゲットについて質問するとは明確な答えが返ってきます。
「会社の社長や社長夫人。医師や看護婦などの病院関係のお客様」をターゲットとしている。
理想とするお客様像があります。
理想とするお客様像が明確だと進むべき方向や具体的にやるべきこと、理想とするお客様が喜んでいただくために何をしたら良いのか、何をしたら悩みを解消できるのか、何をしたら要望を満たせるのか、などアイデアが見えてきます。
まずは、自分の理想のお客様を明確にしておくことが大切です。
2.マーケットの設定
次にマーケットの設定です。
ターゲットの設定で決めた理想のお客様。
その理想のお客様はどんな行動をしますか?
朝起きて何をして、会社に何で行くのか?もしくは自宅で仕事しているのか?仕事が終わったらどんなことをするのか?休日にはなにをしているのか?などを考えます。
理想のお客様は、どこに集まっていますか?
例えばそういうお客様はコミュニティを持っていて趣味の活動しているとか、facebookなどのSNSをやったりしているのか、そのターゲットだけがとる行動は?ということから集まる場所を想像します。
行動や集まる場所を想定することで、アプローチの方法もより具体的になります。
競合の美容室やサロンはありますか?
競合ひしめく市場をとても厳しい「レッドオーシャン」と呼び、競合のいない新しい市場を「ブルーオーシャン」と呼びます。
美容室やサロンをこれから開業するのに競合がいないということは、まずありません。
既に競合がいる市場で、競合との差別化をはかっていくことになります。
技術、接客、店内の雰囲気、クリンリネスなどの基本的な当たり前のことを当たり前に徹底できることでも、圧倒的な違いを生み出せればそれだけでも大きな価値となり差別化できます。
この美容室がいい、この美容室でなければだめ、というロイヤリティを作ることが大切です。
3.集客の仕組み
どんな媒体?
お客様の行動を考えていくとどんな媒体がいいのかが見えてきます。
マーケットの選定で考えたお客様がどんな行動をするのか?を考えてどんな媒体を使うかを考えます。
新聞、雑誌、地域誌、ポスティング、facebookなどのソーシャルメディア、ホームページ、ポータルサイトなどどのような媒体がより効果があるのかをお客様の行動を想像しながら考えます。
例えばホームページでは、SEO対策で上位表示させて自然検索からホームページへの訪問数を増やす方法とPPC広告等を表示させて訪問数を増やす方法などがあります。
ご興味ある方は、美容院のホームページ作成のポイント4つもご覧ください。
見込み客リスト集め・育成
お客様のメールアドレスなどのリストを集められるのか、集められないのかということを考えておくことも大切です。
このリストを集められるは、集客の仕組みを1STEPにするのか、2STEPにするのかとという集客の仕組みを考えることです。
最初からダイレクトで販売するのか、まずは無料や格安料金でお客様を集めてから販売するのか。
美容室ですとダイレクトが多いですが、最近では2STEPの店舗も見かけます。
例えば、LINEを使って無料お悩み相談で、お客様を集めて興味を持っていただきそこから実際に来店に繋げている。また地域のイベントなどに出店してお客様を集めてメルマガやニュースレターをお送りし、見込客を育てお客様になっていただくような取り組みをしているサロンもあります。
いずれにしてもリストを獲得して見込客に対してどういう風に育成して、顧客になっていただくのかということに取り組んでいます。
CPA(コストパーオーダー)
CPAの観点でみることもとても大事です。
CPAというのは、1件あたりお客様を獲得するのにどのくらいかけられるかコストをどのくらいかけていいかになります。
例えば、1つ1万円の化粧水があったとします。
1万円の売上で利益が3,000円だとします。1人のお客様が、継続して3回は購入してくれるとします。
平均で3回購入してくれるのあれば、そうすると9,000円のコストを掛けられます。
1人のお客様を獲得するのに、9,000円のコストをかけることができます。
1つの商品を売っていくら儲かるというのも発想も大切ですが、1人のお客様が最終的にいくらのお金を生涯にわたって、または1年間で落としてくれるのかという観点から集客にかけられるコストを考えることも大切です。
1年間の1人のお客様から得られる利益を把握し、集客のための広告費用をどのくらいコストをかけられるのかを算出できるようにしておくことで、媒体の反応率からこのコストと利益のバランスを考えて取り組んでいくことができます。
A’staffでは、顧客1人あたりのある期間における平均売上は、LTV向上分析で確認できます。
これに技術の利益率を掛けることで1人のお客様から得られる利益を把握できます。
4.販売プロセス
- フロントエンド
- バックエンド
- アップセル
- クロスセル
- ダウンセル
このような言葉を聞いたことはあるかと思います。
販売プロセスにおいて、まずはフロントをどうするのか、バックエンドをどうするのかを考えることは重要です。
最初にお手軽のものを準備しておき、お客様に階段を設けておくことです。最終的にここで収益を取れるような仕組みを考えておくことが大切です。
例えば、多くのエステサロンではフロントエンド、バックエンドの販売プロセスを使っています。
エステサロンでよくあるのが、フロントエンドで初回特典の無料体験や格安料金で施術を体験をしてもらいます。
気に入っていただけたら、バックエンドで正式なコース契約していただくというプロセスです。
さらに、カウンセリングでオススメのメニューを購入していただきます。(アップセル)
また別のコースや商品をオススメして購入していただきます。(クロスセル)
ダウンセルは、フロントエンドで無料や格安料金を体験したお客様に、正式なコース契約を提案して断れたときのために、正式なコース契約の金額より割安なコースを準備しておきます。
人は断った後に、安い金額を提示されると割安感を感じて購入し易いという傾向があります。
一度断って、もう一度断りにくいという顧客心理を利用した方法になります。
5.価格設定
価格設定は、とても重要です。
地域の競合店の価格を調べて、このくらいの価格だから、自分も同じ価格でやろうなどという料金設定をしていないですか?
サロンの提供する技術やサービスや品質の対価が価格です。
利益率にも注視する必要があります。
個人事業主では、利益率をいかに高く提供できるかを考えていくことが大切です。
最初に設定した価格を下げることは、値引きで容易にできますが、価格を上げることは一苦労です。
サロンを運営してから価格を上げるときには、お客様の顔色を気にして躊躇してしまいます。
例えば、競合調査をして競合より2割高い価格で、サロンをブランド化する。2割高い価格のサービスや商品をどうやったら売れるのか、高い理由を考えて、お客様に納得していただける理由、お客様に魅力的に見えるサービスや商品を作ることが1つの戦略となります。
6.顧客フォローの仕組み
囲い込み
美容室やサロンに来店していただいたお客様をどう繋ぎ止めておくのか、リピートしていただくのかの仕組みを考えておくことも大切です。
美容室やサロンに1回来店してそれで終わりですと、新規のお客様を集めるのに一生懸命になってしまいます。
新規集客を費用をかけてずっと続けていかなければならない。
2回、3回と顧客に継続して来店していただくことが重要です。
カルテで顧客名や住所、メールアドレスなどの顧客情報をいただくことで、DM、メール、アプリなど何らかの手段でフォローのアプローチすることが可能になります。
顧客情報をサロンPOSシステムに登録することは、顧客の囲い込みにとても重要なことです。
他にも新規のお客様に3回来店していただけるような3STEPカードやポイントカード、次回予約の仕組みなど。
どういった販促を使うのが、理想のターゲットにはなにが最適なのか。ターゲット像が明確にすると考えも浮かんでくるのではないでしょうか。
まとめ
美容室で新規集客を始める前に必ずやるべき6つのステップについて紹介しました。
- ターゲットの設定
- マーケットの選定
- 集客の仕組み
- 販売プロセス
- 価格設定
- 顧客フォローの仕組み
ここまで考えて紙に書きおこしたら、媒体作りに入ります。
媒体の作り込みに入ると、書きおこした内容の見直し点などに気づき、更に磨きあげることができます。
ホームページやチラシ、お客様へのトーク、名刺作り、販促物など様々なものに利用できます。
ホームページやチラシを自分で作ってみることをわたしはオススメします。
自分で作ることでWEBの知識やどこにどういう言葉を使ったらお客様からの反応があるのか、どこに配置するのか、またお客様の心理を考えることは、今後の集客やサロンワークにとても参考になります。
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