LTV(Life Time Value ライフタイムバリュー)という言葉は、ご存知かと思います。
LTVは顧客1人が、生涯で生み出す売上を意味します。
あなたの美容室のLTV(顧客生涯価値)は、どれくらいなのか知っていますか?
またあなた自身のLTV(顧客生涯価値)は、どれくらいなのかを知っていますか?
というとご存知ない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、LTV(顧客生涯価値)の算出方法などをあらためて知っていただきたい。
それと美容室・サロンでのLTV(顧客生涯価値)の活用方法をご介します。
LTVと売上を構成する3つの要素
売上を構成する3つの要素は、下記になります。
売上=顧客数×客単価×来店回数
売上は、3つの要素からなりたっています。
顧客数=お客様の人数(カルテ枚数)
客単価=1人の顧客が1回、美容室で利用する金額
来店回数=美容室への来店回数
この3つの要素(顧客数×客単価×来店回数)をかけあわせると、売上になります。
例えば、美容室で1,000人の顧客が、平均年間4回来店し、毎回8,000円の購入すると
その年の美容室の売上は、
[顧客数]1,000人×[来店回数]4回×[客単価]8,000円=[年間売上]3,200万円/[月間売上267万]
年間4回というと365日÷4回=91.25日。
顧客の来店サイクルは、約90日になります。
また顧客1人当りの年間平均売上は、32,000円になります。
これが、LTV(顧客生涯価値)になります。
LTVには、2つの考え方があります。
1つは、美容室やサロンの開業から現在までで考えるLTV。
開業から現在までの総売上を全ての顧客数で割った平均金額になります。
LTV(顧客生涯価値)=開業から現在までの総売上÷開業から現在までの総顧客数
もう1つは、年間で考えるLTVです。
年間総売上を年間の顧客数で割った平均金額になります。
一般的にはこちらの方法が使われます。
LTV(顧客生涯価値)=年間の総売上÷年間の顧客数
LTVの現状分析できていますか?
売上を構成する要素は、顧客数、客単価、来店回数の3つしかありません。
美容室やサロンの売上をUPしたい!
スタイリスト自身の売上をUPしたい!
と考えたときに、どのようにして売上UPを考えますか?
まずは、現状分析をすることが重要です。
現状分析がしっかりできていないと売上UPするために必要な仮設が立てられません。
勘も大切ですが、勘ばかりに頼ってはいけません。
勘ばかりに頼っていると余計な時間や費用のコストがかかります。
だから、コストを最小限に抑え売上UPという成果にたどりつくためには、しっかりとした現状分析から仮説を立てて実施することが重要です。
しかしながら、売上を構成する「顧客数」「客単価」「来店回数」の3つの項目について、サロンやスタイリスト自身の現状を知らないことが意外に多い。
LTVの考え方を知らない方も含め、掘り下げた現状分析ができていないことが多いのではないでしょうか。
そこで、LTVと売上を構成する3つの要素から考える現状分析について紹介します。
POSシステムでLTVの現状分析
美容室やサロンのLTVは、年間の総売上と年間の顧客数が分かれば算出できます。
時間はかかるかもしれませんが、POSがなくてもLTVの金額は算出できます。
美容室やサロンの状況がわかると次に気になるのは、スタイリスト個人のLTV。
スタイリスト個人となるとどうでしょう。
これは手作業では、時間がかかり確認したいときに調べるだけでも大変です。
調べることよりも次の対策を考えるのに時間は使うべきです。
こんなときこそ、POSを有効に活用すべきです。
POSのLTV向上分析機能
A’staff(エースタッフ)では、LTVの現状分析が簡単にできます。
年間LTVを簡単に確認できる「LTV向上分析」という機能があります。
美容室・サロンやスタッフごとのLTVをこちらで簡単に確認できます。
上記の2つの帳票は、POSのLTV向上分析の帳票になります。
上段:2015/03/01~2016/02/29
下段:2014/03/01~2015/02/28
上段が今年1年間、下段が昨年1年間になり、昨対の数値が比較できます。
赤枠で囲まれた「④LTV客単」をご覧ください。
美容室で1年間に1人の顧客が使うLTVの金額になります。
また青枠で囲まれた「①顧客数」「②客単価」「③来店回数」。売上を構成する3つの要素も一緒に確認できます。
美容室・サロン、スタッフ自身の良い点、悪い点などが客観的にわかります。
それによって次に何をすべきか?の仮説を立てるための1つの情報として活用できます。
LTV向上分析の活用方法
LTVの活用方法として以下の2つのことを挙げました。
- スタッフ評価
- 売上目標のシュミレーション
スタッフ評価
LTV向上分析の活用方法は、スタッフ評価に使います。
スタッフ同士の数値を比較することによって、スタッフ自身の良い点、改善点などが見えてきます。
例えば、上表のように同じ売上額(¥4,000,000)のスタッフが2人いるとします。
LTV向上分析で、Aさん、Bさんの2人の状況を確認してみます。
売上額は同じでも、「顧客数」「客単価」「回数」「LTV客単」の中身が、比較すると全く異なるといったことがあります。
Aさんの方が、顧客数(100人)とBさんの顧客数(250人)より少ないですが、Aさんの1人当りのお客様が使用するLTV客単(¥40,000)とBさんのLTV客単(¥16,000)よりかなり高くなります。
Aさんは100人の顧客に繰り返し来店してもらい、その顧客全体の平均来店サイクルは約91日(365日÷4回)となり ます。
顧客のリピート率が、AさんとBさんでは、まったく異なります。
この二人の効率的な売上の違いを把握しなければいけません。
把握した上でその評価と その対策をフィードバックすることが必要です。
データ分析は、何かと比較することで、はじめて課題が見えてきます。
もし、LTVにご興味ある方で比較したい方のために、POSのLTV向上分析で調査した500店舗のLTV平均データを記載しておきます。
美容室・サロンやご自身のLTVと比較して、何か気づきや次の行動へのきっかけとなれば幸いです。
売上目標のシュミレーション
例えば、美容室で1,000人の顧客が、平均年間4回来店し、毎回8,000円の購入すると
その年の売上は、
[顧客数]1,000人×[来店回数]4回×[客単価]8,000円=[年間売上]3,200万円/[月間売上267万]
年間4回というと365日÷4回=91.25日。
仮に顧客の来店回数を年間4回から4.2回にUPすると
[顧客数]1,000人×[来店回数]4.2回×[客単価]8,000円=[年間売上]3,360万円/[月間売上280万]
年間5回というと365日÷4.2回=86.9日。
91.25日-86.9日=4.35日
お客様の来店サイクル日数を4.35日短縮することで、[年間売上]160万円/[月間売上13万円]UPします。
顧客数や客単価はそのままでも、来店回数だけを4回から4.2回に短縮することでサロンの売上が大きく変わります。
目標を設定する際に、顧客数を1.5倍や2倍にするのは、とっても大変なことです。
ですが、顧客数、顧客単価、来店回数をそれぞれ少しづつUPするのはどうでしょうか?
顧客数を増やすことだけではなく、どう顧客数、顧客単価、来店回数の3つの要素を最大化するのか?
を考えることが重要ではないでしょうか。
まとめ
今回は、美容室・サロンのLTVと売上を構成する3つの要素で現状分析する考え方を紹介しました。
LTVの算出方法は、
LTV(顧客生涯価値)=年間の総売上÷年間の顧客数
自サロンやご自身のLTVから現状分析して、仮説を立てて行動するための何か気づきがあれば幸いです。