「次回予約はとってはいるけど、思うようにうまくいってない」
「事前に予約するお客様が少なく、当日になるまでお客様が来るかわからない」
あなたの美容室では、事前予約でそのような悩みや課題を抱えていませんか?
今回は、美容室経営者の不安を減らす事前予約の2つの効果について紹介します。
事前予約の2つの効果
- 1人1人のお客様を最良の状態で迎えるため
- 美容室経営者の不安要素を取り除く
1人1人のお客様を最良の状態で迎えるため
事前予約は、お客様に前日までに予約していただくこと。
事前予約を高めることは、美容室に来店いただける1人1人のお客様を最良の状態で迎えるという目的があります。
事前予約で、美容室に本日来店されるお客様がわかっていれば、顧客情報をスタッフ間で共有できます。
前日夜のミーティングや当日朝のミーティングなどで、顧客情報を共有できます。
例えば
「本日は、山田さんがいらっしゃいます。山田さんは、暑がりなのでクーラー近くのこの席が好きなのでご案内してください。」
「田中さんは、皮膚が弱いのでシャンプーする前に現在の状態をお客様に聞いてね。もし状態よくなかったらこっちのシャンプー使ってね。」
サロンが営業中で忙しくなると、スタイリストも自分のことで手一杯。
お客様の細かいところまで気遣うのはなかなかできません。
周囲のスタッフの助けが必要になるでしょう。
ミーティングで顧客情報など情報共有しておけば、忙しくなっても安心です。
さりげない、ちょっとしたお客様への配慮や気遣いが、お客様からの信頼に変わっていきます。
またお客様を担当するスタイリストの方も、事前予約が入っていれば数日前から、お客様を迎える心の準備ができます。
「どんな提案をしようかな?木村さんには、このパーマをオススメしたい。」
1人1人のお客様をイメージした提案やオススメプランなど事前に準備してお客様をお出迎えできます。
美容室経営者の不安要素を取り除く
事前予約は、美容室経営者の売上への不安要素を取り除きます。
常に明日、明後日、次の月、その次の月と少なからず未来への不安や心配ごとを抱えています。
スタッフを雇用している場合は、なおさらです。
「来月の売上は、大丈夫か?」
「来月は大丈夫。スタッフに給与を払える。次の月はどうかな?」
事前予約は、美容室経営者の売上への不安要素を取り除きます。
そうすると気持ちも安定し穏やかになります。
事前予約の必要性を顧客数から考える
来月の売上を達成するために、なにをしたらいいのか?
美容室・サロンの売上を構成する3つの要素は、
売上=顧客数×客単価×来店回数
売上は、3つの要素からなりたっています。
顧客数=お客様の人数(カルテ枚数)
客単価=1人の顧客が1回に利用する金額
来店回数=美容室への来店回数
来月の1ヶ月の売上を考えてみます。
1ヶ月に来店する「顧客数」×「客単価」×「来店回数」を考えます。
月の売上目標が、3,000,000万とします。
3,000,000万=「顧客数:400人」×「客単価:7,500円」×「来店回数:1回」
客単価は、美容室を開業して年数が経過しているサロンでは、毎月そんなに大きく変わることはありません。
何か客単価を上げる取り組み、逆に新規顧客の集客をして客単価が下がるような取り組みをしない限りは。
なので、客単価は毎月それほど変わらないとします。
次に美容室への来店回数です。
来店回数も1ヶ月に何回も美容室に来店される常連の顧客は、限られています。
週に何回もヘアーセットで来店していただける顧客を除いては。
ほとんどの顧客は、2~3ヶ月に1度のペースでの来店です。
美容室に1ヶ月に2回、3回来店していただくことを提案し、コントロールすることはそうそうできません。
なので、来店回数も1回です。
客単価や来店回数は、それほど大きく変わらない。
そうなると顧客数が、3つの要素の中で重要になってきます。
来月の売上目標を達成するためには、400人の顧客を確保する必要があります。
400人の顧客を確保するには・・・
毎月、新規顧客比率が10%の美容室では、必要な新規顧客は、40人になります。
ただし、新規顧客をどれだけ集められるかは、美容室側でのコントロールが難しいところです。
新規顧客数は不透明なので、低めに設定しておいたほうがよいでしょう。
400人-40人=360人
残り360人は、既存顧客で確保する必要があります。
来月の目標を達成するための顧客数がわかりました。
360人顧客を確保できていれば、来月の目標達成は見えてきます。
そこで事前予約が重要になってきます。
事前予約を取っていないとゼロからのスタートです。
しかし、事前予約を取っていれば残りどれだけの顧客に予約を取っていただければいいか、おおよそ把握できます、
来月、再来月と顧客数の予想がたてば、売上が見込めます。
事前予約で顧客数を確保することが、経営者の不安要素を取り除く効果になります。
事前予約を高める3つの方法
①次回予約
②早期ネット予約
③電話で予約案内
美容室にお客様が来店したときから、事前予約への取り組みがスタートします。
施術が終わって仕上がり確認していただくときやPOSレジで会計した後。
美容室にお客様がいるときに事前予約を提案することが多いのではないでしょうか。
①次回予約
多くの美容室で、次回予約の取り組みをしています。
次回予約をしていただくにあたって、お客様がストレスではなくメリットを感じてもらえるように案内する。
美容室側の都合ではなく、「お客様にとって必要かどうか」を明確にお客様に伝えることです。
次回予約率がとても高い美容室で、目にしたことは、
POPなどを使ってお客様の目にとまるように次回予約のメリットをお客様にお伝えしている。
必ずカレンダーを用意して次回予約の話をしていました。
お客様とスタイリスト・アシスタント・フロントスタッフのコミュニケーションが大切です。
そのコミュニケーションの元になるのが、「お客様情報の共有」です。
美容室のスタッフが、1人1人のお客様のことを同じようにあたかも知っているような状態というのが、大切です。
逆に事前予約がうまく取れていない美容室は、事前予約をいただくのはお客様のためであることが伝わっていない。
そこまでのお客様との信頼関係を築けていないということではないでしょうか。
美容室で施術して帰って、次の来店までの間。
その期間で、事前予約を高めるためにネット予約や電話を利用します。
②早期ネット予約
お客様には、仕事やお子様がいたりなどの家庭環境があります。
中には、予定がわからないので次回予約ができないというお客様がいます。
そういうお客様のためには、早期予約していただいた場合の特典付のネット予約をしていただくことで事前予約を高めることができます。
例えば14日前や7日前までになど予約期限を限定して、ネット予約をしていただくと特典が受けられます。
というルールを作って案内するといったことができます。
③電話で予約を案内
美容室からお客様に電話やメールやDMを使ってお客様に予約をいただくことです。
例えば来月必要な顧客360人中、200人のお客様を次回予約で集めた。
ネット予約で100人のお客様からご予約をいただいた。
360人 - 200人 - 100人 = 60人
残り60人をどうするか?
残り60人。どのお客様に対してアプローチしていくか?
を1人1人お客様のことを考えて実行することが大事です。
そんなときに、POSシステムを道具として利用します。
- VIP客のお客様で、予約が入っていない今月来店しそうな人への電話での予約案内
- 来店する予定のお客様で、まだ予約が入っていないお客様への予約案内
- 最終来店から3ヶ月~6ヶ月のお客様への予約案内
対象のお客様は、時間をかけずにPOSシステムの分析機能で簡単に探せます。
時間をかけるべきは、どういう言葉をかけたらお客様に伝わるか?
予約という行動を取っていただけるか?
アナログでのお客様とのコミュニケーションです。
ただし、美容室でこのようなお客様へのアプローチしたい!
といったときにきめ細かい検索で顧客を抽出できないPOSシステムも多くあります。
そうなると「アプローチしたいお客様は誰なのか?」
を探すところから始まり、大変な労力と時間がかかってしまいます。
経営にはスピードが大切です。
POSシステムは、美容室の求めるきめ細かい検索ができる顧客の分析機能が充実したPOSシステムをオススメします。
実行力を身につける・習慣にする
事前予約の結果をコントロールすることは、できません。
なぜならそれはお客様がいるからです。
お客様が存在する以上、自分の思い通りになるとは限りません。
どれほど自分が頑張っても、相手が「イエス」と言うか「ノー」と言うか、その答えをコントロールするのは難しいことです。
そのことに気づかずに、自分の思い通りにしようとゴリ押ししたならば、お客様に不信感や警戒心を抱かせてしまうだけです。
では、コントロールできるところはあるのでしょうか?
自分が働きかける「実行力」は、コントロールができます。
お客様にとってメリットや必要性を感じてもらえるように提案し続けることは、完全に自分次第でコントロールできます。
事前予約への取り組みに限らず、他のもっと簡単な小さなことでもいいのですが、自分が働きかける「実行力」の習慣を身につけることに挑戦してみましょう。
まとめ
今回は、美容室経営者の不安を減らす事前予約の2つの効果について紹介しました。
- 1人1人のお客様を最良な状態で迎えるため
- 経営者の不安要素を取り除く
皆様の美容室・サロンにおいて、この記事が少しでもお役立てれば幸いです。