美容院経営において重要な生産性の指標の1つである人時売上高(にんじうりあげだか)。
営業で初めてお会いするお客様、POSシステムを既にご利用いただいているお客様もお話しすると「生産性」「人時売上高」というキーワードは、ご興味ある方、既に注視している方が多い。
「人時売上高」は、美容院経営にかかせない情報の1つである。
そこで、今回は美容院経営の重要な指標の1つである「人時売上高」を、WEB本社システムの「人時売上高集計表」機能とともにご紹介します。
美容院にとって人時売上高は、なぜ重要なのか?
どんなビジネスでもそうですが、仕事の「質」やお客様への「付加価値」を継続して高めていかなければなりません。
それは美容院でも同じです。
美容院においても仕事の「質」を高めることで、結果として労働時間や休暇、給与などわたしたちが生活していく上で大切なことが改善されます。
またスタッフが働きやすい環境になることで、スタッフの離職率が下がり定着率が高まります。
現時点でも美容院、まつエク、リラクゼーションなど様々なサロン経営者と話してもスタッフの求人が本当に大変だということをよくお聞きします。
人材不足なこれからも続きます。そういった理由からも人時売上高など生産性を高め、仕事の「質」を高めることが、今後のサロン経営にとって益々重要となっていきます。
理想の人時売上高は、○○○○円
美容室やサロンなどのサービス業の人時売上高の理想は4,000円。
4,000円が理想?
と聞いてもピンとこない方も多いかと思います。
もう少し掘り下げて考えてみましょう。
「皆さんは毎月どのくらいの売上や利益があったら、理想の生活ができますか?」
「理想の生活を手にするためには、いくら収入が必要ですか?」
収入だけでなく、休み、労働時間も合わせて考えます。
仮にオーナー1人で経営されている美容室で考えてみます。
家族との生活費なども含めて、毎月80万円の売上があれば理想的。
家賃や住宅ローンや水道光熱費などを支払っても50万~60万円は、手元に残るとうれしい。
だから80万円は売上が欲しい。
休みはどうか?
週休2日で、月に8日は休みたい。
1日に働く時間はどうか?
朝10時から夜8時までの10時間。
休憩1時間を引いて9時間が理想。
このような仕事や生活がしたいと考えたとします。
1ヶ月は30日、31日とありますが、ここでは30日とします。
休みは、月8日なので、30日-8日=22日。
1日の労働時間は9時間ですので、22日×9時間=198時間。
1ヶ月の労働時間は、198時間になります。
理想の売上を80万円とすると、80万円÷198時間=4,040円。
理想の生活を手にいれるための人時売上高は、4,040円。
約4,000円になります。
ここでは、オーナー1人の美容室でご説明しました。
スタッフ人数が増えても、理想の生活をするために必要な売上や利益がわかれば人時売上高も見えてきます。
【人時売上高4,000円超えサロンの事例】
人時売上高集計表
WEB本社システムの「人時売上高集計表」機能をご紹介します。
POSシステムでいつものように会計や勤怠を登録するだけで、簡単に人時売上高を確認できます。
人時売上集計表では、「人時売上高」と「実労働売上高」を確認できます。
「人時売上高」は、ここまでご説明してきましたが、「実労働売上高」ははじめて出てきましたので説明します。
「実労働売上高」=売上÷総施術時間
で算出しています。
総施術時間は、カットやカラーなど施術にかかった時間を集計しています。
具体的には、お客様が来店した時間からPOSレジで会計が終わるまでの時間を集計しています。
人時売上高と実労働売上高では、実労働時間の方が、実際の施術時間になりますので短くなります。
したがって、分母が小さくなるので、金額は実労働時間の方が大きくなります。
人時売上高を改善するためには
人時売上高を継続して高めていくことは大切です。
そして売上と労働時間のバランスが大事です。
どのくらいの人時売上高が、自サロンにはよいのか?を知っておくための1つの指標として人時売上高は利用できます。
人時売上高が低ければ売上を上げることをまず考える必要があります。
しかし、人時売上高を高くすることばかりを重視すると効率化ばかりになってしまい機会損失が発生します。
例えばスタッフ数を減らし、結果スタッフが少なすぎてお客様をお断りしている状態。
人時売上高は高くなりますが、目先のコスト削減にとらわれ、スタッフ数を減らすなど人件費を減らすと長期的に見れば顧客を失うなどマイナスにつながっていく可能性があります。
広告掲載など集客計画を考え、顧客数やスタッフ数なども含め売上と労働時間のバランスを考えていく必要があります。
今回は、サロン経営の重要な指標の1つである「人時売上高」について紹介しました。
ぜひ、自店の人時売上高を確認してみることをオススメします。