美容室の売上帳票でよく使う客単価。
「うちの美容室の客単価、こんなに高いかな?」
そんな疑問を感じたことありませんか?
平均値を算出する方法には3つの種類があります。
それぞれ、①平均値(算術平均)・②中央値・③最頻値という名前で呼ばれています。
今回は、美容室で知っておきたい3つの平均値について紹介します。
3つの平均値の特徴
1.平均値(算術平均)
一般的に平均値と呼ばれるもので、全部の数値を足した合計値を、全部の数で割った結果が平均値です。
平均値(算術平均)では、全体の分布がどうなっているかが分かりにくい点が挙げられます。
2.中央値
全ての数値のうち、低い方から数えてちょうど真ん中の順位にある数値を指します。
データが偶数の場合は、真ん中に最も近い2つの数値を足して、2で割った数値が中央値になります。
中央値は平均値(算術平均)よりも、用途によっては実情をよく表している数値だと言えます。
3.最頻値
基準の数値をある一定の範囲でランク分けした時に、最も多くの数値が集中するランクを指します。
数値の分布が著しく外れていたり、極端な値がある場合など、最頻値はより大多数の実感に近い数値だと言えます。
3つの平均値の事例
3つの平均値について簡単に説明します。
例えば年収の場合で考えてみるととても分かり易いです。
年収100 万円が1 人、200 万円が2 人、1100 万円が1 人で合計4 人がいるとします。
年収の平均値をそれぞれの方法で算出します。
①の平均値(算術平均)で平均値を出すと400 万円になります。
②中央値で平均値を出すと200 万円になります。
③最頻値で考えると200 万円になります。
②の方法では年収が低い順に並べた時に丁度真ん中になる人の年収を表している為、一部の超大金持ちの年収は中央値に影響せず、中央値は「普通の人」の生活水準により近くなります。
3つの平均値 美容室の客単価
次に美容室・サロンが注視する客単価について上記の3 つの方法で平均値をみてみます。
今回は、男性・女性の性別ごとの客単価を例に説明します。
図表Aは、男性客の客単価です。
客単価を①平均値で見ると、4,987 円になります。
②中央値で見ると4,162円と平均値と比較すると825 円の差が出ます。
③最頻値で見ると3,000 円台になります。
図表Bは、女性客の客単価です。
客単価を①平均値で見ると、8,332 円になります。
②中央値で見ると7,495円と平均値と比較すると837 円の差が出ます。
③最頻値で見ると5,000 円台になり、平均値とはかなりのひらきがあります。
おそらく②中央値、③最頻値の客単価が、店舗の方が実感している数字に近い数値でないかと思います。
また男性と女性での客単価の違いが、かなりあることも図表から確認出来ます。
図表C は、図表A・図表Bの基データです。
Excel の関数を使用すると、②中央値や③最頻値は簡単に抽出することが出来ます。
※客単価(台)の項目は、任意にクラスを設定して頂く必要があります。
まとめ
最初にご案内したようにPOSシステムの平均値では、①平均値(算術平均)が使われています。
①平均値(算術平均)は、極端な高値の影響を受けるので、分布の代表値として適切でない値になってしまう場合があります。
②中央値や③最頻値では、いかに飛び抜けた値があってもデータの1 つとしてしか扱われないので、より大多数の実感に近い値を示すことが出来ます。
データ分析する際は場合によってどの平均値を使うか考える必要があります。
美容室やサロンの新店舗出店時の技術メニューの単価設定や男性・女性の性別での技術メニューの単価改定時に客単価を参考にする際には、②中央値や③最頻値での平均値も参考にして頂ければ幸いです。